パッケージデザインが陳列棚で異彩を放つための6つのルール

shunichi shiga

FMI(食品マーケティング協会によると、米国の平均的スーパーマーケットが扱う品は約40,000点に上るとのこと。売上げ6000億ドルにもなるこの業界が大いに頼みとしているのが、消費者、卸業者、メーカー…そしてグラフィックデザイナーです。

商品パッケージは、グラフィックデザインの分野としては、それだけで一大業界です。Landor(ランドー)、CBA、Coley Porter Bellといった多国籍デザイン事務所は、何百人ものデザイナーを抱え、パッケージデザインとブランディング(=消費者の企業イメージを向上させること)を通して力強いブランドを生み出すことにひたすら注力していると言っても過言ではありません。

99designsでは、商品パッケージは成長している分野で、素晴らしいデザイナーの参入とそのポートフォリオの作成が待たれています。しかし要求の厳しいこのデザイン分野は、“ものを見る目がある”だけでは務まりません。素晴らしいパッケージデザインを生むコツ、ダメにする要因を見ていきましょう。

1.明快かつ簡潔であること

今度スーパーに行ったら、任意の陳列棚を選び、いくつかの商品にざっと目を通してみてください。各々ちらりと目をやって、以下2つのとても素朴な疑問を自問してみてください。

  1. この商品は何のためのものか?
  2. この商品のブランドはどこか?

シンプルで明快、しかし非常に特色のあるパッケージデザインの好例
こうした肝心の問いに4秒以内で答えを見つけることがいかに難しいか、きっと驚かされるでしょう。4秒とは、平均的消費者が棚の特定の商品に費やす時間の上限と言われています。

ブランド名をはっきり明示せずに良いことをあれこれ並べ立てている商品が見つかります。外側は素敵に見えるのに、箱の中身について説明のない商品もあります。また、子供向けのジュースにふさわしいパッケージが洗浄剤に使われていたりもしかねません。

これは悪い例です! この洗浄剤は危険なまでにおいしそうに見えませんか? このパッケージデザインは消費者を混乱させ、“明快であること”を実行し損なっている可能性があります。

商品カテゴリーによっては、少々ミステリアスであっても許されるものもありますが(香水やぜいたく品など)、中身や使用法、あるいはブランド・アイデンティティの観点からその商品を特定できないことは悪しき慣行であり、通常、お店での売上げがぱっとしないパッケージデザインということになります。

したがって覚えておいてほしいルールNo.1は「商品について明快であること、ブランドについても明快であること」です。

2. 誠実であること

クライアント、デザイナー双方について言えることですが、パッケージデザインの初心者は、考えられる限り完璧なやり方で商品を表現しようと奮闘する場合が多く見受けられます。実際買わされるのはただのチョコレート味のビスケットなのに、チョコレートにどっぷり浸かったクッキーを見せようとしたり、本当はフルーツがちょっぴり入っているだけのフルーツヨーグルトに、たわわに実った新鮮なチェリーを描こうとしたりします。

実際より10倍も良く商品を描くことで、消費者をミスリードし、最終的にがっかりさせてしまうわけで、結果的にセールスは伸びず、ブランドイメージも非常に悪くなるのが落ちです。

この商品はおいしいのかもしれませんが、パッケージが明らかにミスリードしています。パッケージと実際の食品の比較について、さらに知りたい方はこちらのサイトをどうぞ。

ここで重要になるのが誠実さです。消費者は単純で安価な商品については、自分が買っているものを分かっている限り、何の反感も持ちません! 確かにある程度までの“フェイスリフト”は想定しますが、実物がまったく違うものになっていたらそうはいきません。

デザイナーとしてのあなたの任務は、できる限り良い方法で商品を提示することですが、「消費者(あなたも含めて)は正当に扱われるに値する」ということを心に留めておきましょう。

3.本物であること

素晴らしいブランドの核心を成し、当然、素晴らしいパッケージデザインの核心でもあるのが、オリジナリティ、特徴、覚えやすさです。

その理由は簡単に理解できます。ちまたに数多くの商品があふれていて、すべてが消費者の関心を引こうと競合しているのですから。あなたの扱うブランドを際立たせる唯一の道は、「他とは違うこと、れっきとした本物であること」です。

これはまさに独創力と探求力の問題なので、いかに「本物となる」かをアドバイスすることは不可能です。無数のブランドや意匠、心に訴えてくるものに人々が直面している現代にあってはなおさらです。

Colin Porter Bellが手がけたこのパッケージデザインは、“本物”で覚えやすいパッケージデザインの好例です。

もしあなたがノーブランドに見えるパッケージデザインに行き詰まっているなら、力強い「視覚基準」をもった、普通でないデザインスタイルを応用してみましょう。

例えば、商品の写真を使うのが主流なら、イラストレーションや活字をベースにしたデザインを使ってみるとか、水平のレイアウトを採用するのが主流なら、あえて垂直にしてみるのです。多くのデザインが現代風なら、質を重視したレトロ路線でいってみましょう。

大胆で、他とは違うものを出しましょう。思いもよらぬインスピレーションを求めて他の商品カテゴリーを覗いてみるのも手です。アルコールのラベルのデザインからヒントを得て、新しいチョコレートのパッケージのアイデアが湧いてくるかもしれません。

4.シェルフ・インパクト

買い物客の視点からすると、商品はぽつんと単独で見られることはなく、微に入り細にわたって見られることもありません。棚から離れて見るため、また商品は縦横に整然と並べられているため、私たちが目にするのは様々な商品から成るまぎれもない模様にすぎません。近づいていって見ようとした時になって、初めて特定の模様が注意を引くのです。

実際の棚に置かれた時の商品の際立ち感やアピール力は、小売店が「シェルフ・インパクト」と呼ぶもので、売上に大きく影響します。

これが実際にスーパーで見る光景です。まずどの商品が注意を引きましたか?

シェルフ・インパクトは、デザインを考える上で検証し研究する必要があるものです。あなたのデザインしたものを、実際の棚での陳列を想定して他の商品と一緒に並べてみることで、これを行うことができます(最良の結果を出すには、各商品の並んだいくつもの棚や列を使うこと)。目立っていればいるほど、売れ行きも良くなります。

注目ポイント:一番良く見えるデザインが辺りにまぎれてしまって目につかなくなったり、一方、シンプルなデザインがかえって周囲では“ポップ”に見えたりする―――そんな結果にきっと驚くことでしょう。

5. 拡張性をもたせること

商品パッケージのデザインコンセプトは、新たなライン展開(商品バリエーション)や、下位ブランドの導入が容易になるよう考慮するべきです。

例えば、アップルジュースの新たなブランドについてパッケージを制作しているとします。あなたとクライアントは、実に見事なりんごをあしらったあるデザインを選択します。ところが、数カ月後、クライアントは同じブランド名でチェリー味の販売に乗り出すことに決めます。

視覚的アピールを損なうことなく容易にバリエーションが展開できるパッケージデザインの好例

さあ大変、当初あなたが制作したデザインコンセプトはりんごにこそ効果絶大で、チェリーではとても良く見えるどころではないため、焦ってしまいます。さらに、チェリーの良い点を前面に出して伝えなければならないため、あなたのアイデアとは折り合いがつきません。拡張性の面で問題を抱えてしまいました。

これを避けるために、常に将来のことを心に留めて商品パッケージをデザインすべきです。つまり商品のビジュアルや他の情報を容易に交換できるような、視覚的にシステマティックなデザインを制作するということです。そうすれば、やがて素敵な外観の商品群が出来上がります。

6. 実用性

ラベルや包装にとどまらず、実際の形、サイズ、商品の容器としての機能性を考えるのが実用性です。商品が実用的であればあるほど、売上げも伸びるのです。ハインツはケチャップボトルを上下逆さまにして、売上を飛躍的に伸ばしました。

ケチャップ業界が伸び悩んでいた時に、上下逆さまにする発想でハインツはケチャップの売上増加につなげました。

実用性はパッケージデザインの最も見過ごされがちな側面です。それというのも、クライアント単に“絶対確実な”道を選択することがほとんどで、イノベーションの機会を逸しているからなのです。

しかしもし幸運にも、次世代のボトル、ボックス、カップなどをデザインする機会があったら、常にまず実用性を第一に考えてください。つまり多くの場合、どうしたらその商品の使い勝手、持ち易さ、保存し易さが良くなるかを考えるわけです。

パッケージデザインの難題の多くを解決できるのは「実用性」だけです。

6. 終わりに

パッケージデザインは、大規模で要求水準の高いデザイン分野であり、常に商品のオリジナリティと販売実績の両方を実現してくれるデザイナーが求められています。パッケージは消費者が目にする最終的なメッセージであり、その商品を納得して買ってもらう最後のチャンスです。上に挙げた明快で、誠実で、本物であることをはじめとする6つのルールは、この一連の作業で重要な役割を担いますが、このテーマについての決定版というわけではありません。

あなたがまさにこれから着手しようとしているなら、Dielineのブログなど、優れたパッケージデザイン事務所の仕事をフォローしたり、99designsのパッケージコンペから、ご自分のポートフォリオを作成したりすることを強くお勧めします。

パッケージデザインが大好きで、みんなに伝えたいヒントはありませんか? ぜひコメントで話題にしましょう。

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文字デザインを良く見せるための10のヒント:カーニングを使いこなす

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印刷術において、カーニングとは隣り合う文字のスペースを調整することをいいます。締め切りに追われてヘトヘトになっている時には、省略してしまいがちの処理です。 クライアントの中にはカーニングのことすら知らない人も多いでしょうが、カーニングを怠った文字のデザインを見れば、彼らは何かが変であることに直感的に気づきます。カーニングを使いこなすことで、デザインがよりプロフェッショナルなものに仕上がります。作業の最後たった数分間を費やすだけでいいのです。プロのデザイナーとしては、カーニングの技術を習慣として身に付けておきたいものです。 以下、カーニングに関する10個のヒントをご紹介します。 1. カーニングの前にリーディングとトラッキングの処理を行う — トラッキングとは、文字の集合体の中の全体的な間隔を調整することで、リーディングとは、行間の縦の間隔を調整することをいいます。まずは、このリーディングとトラッキングの調整から行いましょう。カーニングの後にこれらをやってしまうと、カーニング調整を行ってバランスを取ったものが、すべて無効になってしまいます。 2. ソフトウェアの自動調整機能を使わない — 見出しやロゴなどの文字のデザインでは、ソフトウェアでデフォルトになっている間隔調整の機能を使わずに、手動でカーニングを行いましょう。書体ごとに文字の間隔は違いますので、各書体に合わせて調整を行う必要があるからです。 グラフィック系のプログラムでは、メトリクス/和文等幅カーニングやオプティカルカーニングなどの自動カーニングツールがデフォルトになっています。これらのツールは文字の形を元に間隔を調整します。しかし、カーニングを手動で行えば、もっと自由に配置をすることができます。 カーニングを行うには、文字パネルを使用します。文字パネルは、Photoshop、InDesign、Illustratorのどのプログラムでも大体同じような見た目をしています。まず、「文字」パネルを開きます。次に、カーニングを施したい文字の間にカーソルをもっていき、ダブルクリックします。これで文字ツールが有効になりました。続いて、文字パネルからカーニングの数字を変更します。試しに数字を増やしたり減らしたりしてみて、2つの文字の間隔がどのように変化するか確認してみてください。 キーボードのショットカットキー:2つの文字の間をクリックし、「option」または「Altキー」を押したまま、左右の方向キーを使えばカーニングを調整できます。 3. 文字間のスペースの見た目を均等にする — カーニングは、数学的に均等なスペースの大きさのことではありません。人間の目で見た時の見た目を均等にすることをいいます。カーニングの技術とは、一般的に文字間のスペースを視覚化し、埋めることです。そして、そのスペースを均等な分量にしようと試みることです。カーニングをする際には、文字にズームインしすぎないように注意しましょう。近寄りすぎると、実際よりもスペースが大きく見えてしまいます。 4. 文字ごとにスペースの空き具合が違う — 文字というのは、直線やカーブ、傾斜や角などがあり、それぞれ特徴がありますので、文字同士の基本的な関係性を知っておけば、カーニングも理解しやすいでしょう。カーニングの基準として、直線が並んだ時のスペースを1とする方法があります。直線とカーブが隣り合った時は、基準の1より少しだけ狭めにします。カーブ同士の場合は、さらに狭めます。Aやv、yのような傾斜の入ったものは、一番やっかいです。なぜなら、傾斜になっていることで、不要なスペースが大きくなるからです。このような文字にはいつも以上に注意していただきたいのですが、他の文字にこのルールは当てはまらないということも頭に入れておいてください。 5. 文字を逆さまにしてカーニングする — 文字を逆さまにすることで、文字の意味にとらわれるとこなく、ただのスペースのある記号の集合体として客観的に見ることができます。 6. 3文字ごとにカーニングする — カーニングをする時は、単語の頭3文字からやってみましょう。作業中、他の文字は手や紙で隠しておいてください。頭3文字の調整が終わったら、1文字ずつずらして、最後まで見ていきましょう。 7. 「Less is more(少ないほうがいい)」 のモットーを忘れずに — カーニングはやりすぎるより、やらなさすぎるほうが、いい仕上がりになります。スペースを詰めすぎてしますと、見た目も美しくないですし、読みにくくなってしまいます。 8. フォントの大きさによってカーニングの処理を変える — これは、ロゴなどでサイズ違いのものを作る場合に必要な処理になります。小さいサイズ間の変更であればカーニングの違いはあまり分かりませんが、見出しやロゴなどの場合は違いがはっきりします。小さめのロゴの場合はカーニングを減らしてあげることが必要になる場合もあります。 9. 注意が必要な文字同士の並びに気をつける — 大文字の、W、Y、V、T、L、Pや、小文字のy、kなどの文字は、カーニングする時に注意が必要です。大文字と小文字が隣り合った時にも同じことが言えます。この問題を解決する時は、これらの注意すべき文字を先に調整して、他の文字のカーニングは後回しにしましょう。 10. 練習を重ねる — このような技術が自然にできるようになるまでには、練習が必要です。手始めに、この面白いカーニングゲームをやってみてください。これは、カーニングの達人を相手に、あなたが行ったカーニングの処理を採点してくれるというゲームです。 これは覚えておいてください。カーニングとは、文字の集合体の合間のスペースに一貫性を持たせるということです。この一貫性がよりいいものになれば、それだけ言葉にリズムとハーモニーを持たせることができます。 カーニングのコツは分かりましたか?ぜひコメントをしてシェアしてください! [ 翻訳:shunichi shiga ]

タイポグラフィに関する5つの重要なルール

タイポグラフィに関する5つの重要なルール

グラフィックデザインにおける要素に“VIP”部門があるなら、タイポグラフィはその上位に入るでしょう。たとえロゴがすばらしいレイアウトを持っていても、文字要素が優れていなければ好意的なフィードバックは得られません。 タイポグラフィはデザインを作るものであると同時に、崩すものでもあります。これからご紹介する5つのルールを理解することが大切です。 1. レディング — レディングとは文字列の行送りのことで、一般的には各行のベースラインからベースラインまでを測ったものです。レディングは文字列の視認性に影響するため、パラグラフを設定する際に重要なものとなります。レディングがなければ、文字列は狭苦しい印象を与えるでしょう。もしレディングが多すぎても、その空きすぎたスペースにより、文字列はまとまりのないものになってしまいます。 ご使用のプログラムによって、レディングの変更方法は異なります。大まかな方法は、フォントの高さより2pt上回るレディングとすることです。例えば、10ptのフォントを使用しているなら、レディングは12ptとなります。これは使用しているフォントによって変わり、フォントが違えば必要な行間も違ってきます。 2. トラッキングとカーニング — トラッキングとカーニングは、両者とも文字間のスペースを調整するという点で似ています。では、その違いは何でしょう?トラッキングは文字のグループ間の調節、そしてカーニングは個々の文字間の調節です。プリントする段階で文字が互いにぶつかり合わないようにするには、トラッキングを調節しておくべきです。さらに、トラッキングは文字の読みやすさや密度を改善するのに役立ちます。 カーニングは、ヘッドラインやすべてが大文字の表記、またはロゴなどの視認性を全体的に向上するので、とても効果的です。とても役に立つものですが、あまり多用しすぎてもいけません。1つの単語であるはずの会社名を2つの単語に見えるようにはしないでください。 3. セリフ体とサンセリフ体 — セリフとは、文字や記号のストロークの端に付く飾りのことです。長文が使われる書籍や雑誌には、セリフ体が最適です。セリフ体はベースラインにうまく沿うので読者の目を次の言葉へと導く手助けになり、長時間読まれるものに適しています。 4. 書体の数 — 異なる書体を組み合わせることでレイアウトをダイナミックに見せることができますが、あまり多くの書体を使い過ぎると、読者の気が散ってしまいます。たくさんのフォントがあると、どのエレメントが重要なのか分かりにくくなります。 一般的なルールは、1つのプロジェクトには3種類以下のフォントを使用することです。例えば、2種類のフォントをヘッドラインと本文に使用します。そのフォントはそこから太字やイタリック体にしたり、小見出し用にサイズを変更したり、大文字にしたり、またはその他のデザインエレメントにしたりすることができます。 デザインドキュメントが長ければ、より多くのフォントを使用することができます。しかし、パンフレットや広告、またはその他の短いドキュメントの場合は、1~2種類のフォントの使用に留めておいた方が良いでしょう。 5. 本文の長さ — 新聞を見ると、記事がコラムに分けられていることに気付くかと思います。1行の文字数が短いと記事を分割でき、文章が読みやすくなります。人間の目は、行の文字数が多過ぎると必然的に疲れるものです。 正確な文字数を予測するのは難しいですが、一般的なルールは各行を50~60文字未満にすることです。これは標準的な数字ですので、デザインプロジェクトによって調節すると良いでしょう。 同様のルールがヘッドラインにも適用できます。ヘッドラインは一般的に50文字以下とされていますが、1行の文章を短くすることは有益です。例えば、“すぐに使える何百ものデザインのチャンス” という見出しについて作業している場合、それを細かく分けることで読みやすくできます。 読者が流れるように読み進めることができるように、文章を短くしてください。そしてしっかりとフォントサイズを調節すれば、行がうまくそろうでしょう。 ご紹介した5つのルールは大切ですが、タイポグラフィのルールは学ぶべきものが他にもたくさんあります。 フィーチャー画像:arnoKath [ 翻訳:shunichi shiga ]

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