卓越したデザイナーになるということは、優れたデザインを作るだけでなく、優れたサービスを提供するということでもあります。その簡単な方法の1つが、クライアントへ正しい形式のファイルを提供することです。
そうすれば、クライアントはプリンターの前で混乱することなく、時間を節約できます。さらに、デザイナーとの間に信頼関係が生まれるでしょう。
CMYK:印刷デザイン

Photo: garryknight (via Flickr)
印刷向けのデザインをする場合、CMYKカラーモードを使用することが重要です。カラーモードについてより詳しく知りたい方は、“RGBとCMYK:正しいファイル形式で保存する”をお読みください。
下記は印刷デザインを保存する際によく使われるファイル形式です:
- PDF(Portable Document Format)は、Adobe Systemsによって開発されたファイル形式で、世界中でダウンロードできます。Adobe Acrobatプラグインを使用しているコンピュータで閲覧可能です。現在、PDFは多くのデザイナーから広く親しまれています。編集可能なファイルとして保存することができ、クライアントにとっても使いやすいファイルです。
- EPS(Encapsulated PostScript)は、ロゴを作成する際のベクター形式です。画像の品質を失うことなく、サイズを変更できます。高品質なため、名刺やパンフレットなどの印刷用のエレメントによく使用されます。ファイルをEPSで保存するべきか迷った時は、高品質な印刷に利用するかどうかを考えてみてください。
- TIFF(Tagged Image File Format)は、多くのユーザからサポートされており、ほとんどのプログラムに対応しています。TIFFでは、JPGやPNGよりもさらに高品質な画像が作成できますが、EPSのようなベクター形式ではありません。出版業界やカメラマンの間では広く使われています。TIFFは送り状や明細書、ページのレイアウト、レターヘッドなど、日常的なデザインの保存に最も適しています。
RGB:コンピュータ向けのデザイン

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電子デバイスやコンピュータ機器用のデザインをする際は、RGBカラーモードを使用することが重要です。
下記はコンピュータ向けのデザインを保存する時によく使われるファイル形式です。
- JPEG(Joint Photographic Experts Group)は、圧縮された際に素早く読み込まれるため、ウェブデザインで最もよく使用されるラスター形式です。JPEGの画像はいくらか品質が落ちますが、Eメールやバナーデザインなど、ウェブを利用した媒体ならどんなものにも適しています。
- PNG(Portable Network Graphics)は、圧縮された際に品質が失われることのない、ウェブベースのファイル形式です。PNGはGIFの品質を改善するために開発され、ウェブでの利用に最も適しています。
クライアントに編集可能なファイルを譲渡する方法

クライアントにデザインを譲渡する際は、クライアントが自由に編集できるファイルにしておくことがとても重要です。
PSD(Photoshop)及びAI(Illustrator)は、Adobeのプログラムで利用される、圧縮されない作業ファイルです。Photoshopはラスター形式をベースとしたプログラムで、主にウェブデザインのために使用されます。一方、Illustratorはベクター形式をベースとしたプログラムで、主にロゴを作成する時に使用されます。クライアントが後日、あなたのデザインを編集する必要がある場合は、作業ファイルを提供しましょう。
あなたがCSD(CorelDRAW)を使用しているなら、クライアントには編集可能なPDFファイルか、AIに変換したファイルを渡す必要があります。この時に起こり得る問題については“CorelDRAWで起こる問題:AIやEPSに変換する”をお読みください。
クライアントに正しい形式のデザインファイルを譲渡できるよう十分に気を配ることで、あなたは信頼できるデザイナーとして、際立つ存在になれるはずです。