フリーランサーなら誰もが直面する最大の悩みは「自分の仕事にどのぐらいの価格を設定すべきなのか?」ということです。固定価格にするか、時間単価にするか?クライアントに価格交渉を望まれたら?このような疑問は頭痛のタネになるし、成功事例を学ぶのも必ずしも簡単ではありません。でも、もう考えなくても大丈夫です。その悩みに対する回答を用意しました。次回の1-to-1プロジェクトでは、この答えがきっと役に立ちますよ。
1. 生活費の計算

収入のことを考える前に、毎月の支出を記録して、生活のために最低いくら稼がなければならないかを知ることが大切です。支出の管理に役立つオンライン家計簿はたくさんあるし、メモ帳アプリでも同じことができます。初めに、思いつくもの全部をリストアップしましょう(支出の変化に合わせて書き換えることを忘れずに)。
- 家賃
- 自動車保険
- ガソリン代
- 食料品
- 家計費
- Adobeサブスクリプション
- その他の重要な支出
すべての支出を合計すると、毎月の最低目標額が分かります。もちろん、毎月の目標額を4で割って週当たりの目標額を出してもいいし、12を掛ければ年間の目標額にもなります。最低目標額が設定できたら、次はプロジェクト作業の価格設定の種類について考えましょう。
2. プロジェクト単位で価格設定をする場合

長所
- 顧客にとって理解しやすい
- 時間の記録が必要ない
- 計算が簡単
- 同時に複数のプロジェクトを手がけることができる
- プロジェクト作業を早く終わらせれば、時間単位で換算した場合よりもずっと割に合う
短所
- あくどい顧客がこれを利用して、多くの仕事をさせようとすることがある
- プロジェクトが長期化しがち
- 改訂やドラフトを何度も要求されがち
- 時間枠が当てにならない
- 顧客との結びつきを強くしておかなければならない
プロジェクト単位の計算の例
- 1プロジェクトの最低見積額:500ドル
- 年間の生活費:1,000 ドル× 12 =12,000ドル
- 年間の最低プロジェクト数:24
- 月間の最低プロジェクト数:2
これは、適当な数字を入れた試算例です。正確な実際の数字を入れて計算してみれば、収入と支出を合わせるために役立つ良い数値が得られます。
想定外の追加作業

事あるごとに、当初のデザインブリーフに含まれていなかった作業が要求されるため、その対処方法を知っておくことは重要です。クライアントが最終成果物に何を期待するかを正確に見積もるように常に心がけましょう。
例えばウェブプロジェクトの仕事をするなら、正確なページ数や盛り込む機能の数を正確に含めることです。ポップアップ、フォーム、中間ページはクライアントの当初のデザインブリーフには含まれていないことがあるので、こういった追加機能を予見して、作業を開始する前にどう対処するかはあなた次第です。
見積もりを示す前にプロジェクトを完全に理解することが重要です。クライアントが何を期待しているのか知るために、追加情報を要求してもいいでしょう。例えば私なら、クライアントが思い描いているウェブサイトの簡単なワイヤフレームの提供を求めます。この追加情報は、後でクライアントとの間に誤解が生じるのを避けるために役に立ちます。
3. 時間単位の価格設定の場合

長所
- たいていの場合、時間を有効に使うことができる
- よりリラックスしてプロジェクトに取り組むことができる
- 改定の回数が少なくなる
- 時間枠が当てになることが多い
- 当初のデザインブリーフに含まれていなかった作業が追加されても、大きな問題にならない
短所
- 時間を記録し、実際の作業時間をクライアントに伝える、信頼性のある方法が必要
- 複数のプロジェクトの「やりくり」は難しくなる
- 生活費を厳密に計算しなければならない
- 見積もった作業時間を信用してくれない小規模なクライアントからは、仕事を頼まれにくい傾向がある
時間単位の計算の例
- 年間労働日数240日=365日-土日104日-祝日14日(アメリカの場合)-病気療養7日
- 年間最高課金時間1920時間=1日8時間×240日
- 例えば、このうちプロジェクトに費やす時間を控えめに40%とすれば、
- 課金時間768時間=1920×0.4
- 年間支出:1,000ドル×12=1,000ドル
- 最低時間単価:12,000/768=15.6ドル
この計算も適当な数字を入れた試算例ですが、正確な実際の数字を入れて計算してみれば役立ちます。
想定外の追加作業
時間単価で作業する場合は、追加作業で痛手を負うことはありません。むしろ大歓迎です。スケジュールには影響するかも知れませんが、計算が適切なら、追加作業はビッグニュースです。一言アドバイス:追加要求を受けたら、その都度忘れずに記録しておきましょう。
価格交渉への対処

大切なのは、正直にフェアな価格を見積もって、信頼に値する人物像を描き出すことです。
プロジェクトの査定、自分の技量、納期などに基づいて見積もりを見直すべきです。それでもクライアントが難色を示すようなら、自分にふさわしいクライアントではありません。
まとめ
プロジェクト単位と時間単価のどちらの価格設定にするかは自分自身が決めることです。本当に重要なことは、生活費を正確に記録し、それに合わせて金額を調整することです。私からの個人的なお薦めは、常に公正で明瞭な価格を維持し、一切の価格交渉を避けることです。