フリーランスとして開業する際に用意するツールの中でもとくに重要な「名刺」。複数のクライアントと顔を合わせる営業活動においては、名刺がファーストインプレッションを左右する場合もあります。自分の持ち味やデザインセンスをアピールするものでもあり、記載内容1つ1つがビジネスマンとしての信頼性に影響するものでもあります。今回はデザイナーにふさわしい名刺の内容について考察していきましょう。

名刺には何を記載しておけばいいのか?

名刺デザイン
Michael Teo Photographer 名刺 by MirelaS

名刺の記載内容に関して確固たるルールはありませんが、記載した方が信頼性につながるような情報の記載や、連絡・伝達をスムーズにする工夫をすることが大切です。

まず「氏名」は当然名刺に書くべき情報ですが、記載する際、もし名前が読みにくい漢字を使っているのならふりがなをふるなど、相手の立場になった工夫をしましょう。海外向けの仕事にも対応できるよう、英文字の名前を併記するのもオススメです。

次に「屋号」「肩書」「資格」「所属団体」についてです。フリーランスのデザイナーは個人名で活動しても差し支えありませんが、屋号(企業で言う社名)をつけた方が信頼感につながる傾向があり、ネーミングでデザイナーとしてのパーソナリティを伝えられるかもしれないためオススメです。個人のデザイナーの場合は、役職の代わりに職種名を表記するのが一般的です。

クリエイティブ職は多岐に渡っているので「グラフィックデザイナー」「アートディレクター」「グロースハッカー」など、得意分野がわかるようにしましょう。業務範囲の広さを売りにするなら複数記載するのも戦略の1つですが、あまり多すぎるとスマートではないので、3つまでを目安にしましょう。

アピールとなる資格は記載したいところですが、取得ハードルの低い資格を列記するのは避けましょう。また、デザインやIT分野の団体の会員であれば、記載しておくことでクライアントとの話題につながるかもしれません。

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dyar.no名刺 card by betiobca
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Amauta Marketing名刺by AZ™

 

シチュエーションによって記載内容を変えてもOK

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Mama J 名刺 by Daria V.

シチュエーションに応じて使い分ける目的で複数の名刺を作り、記載内容を変えるのは結論から言えば「OK」ですが、記載内容の異なる名刺を使い分けるのはメリットとデメリットがあります。

メリットは、クライアントのニーズに合わせた名刺を使うことで、受注につながりやすくなる点です。渡す相手によって教える連絡先を調整したい場合にも有効でしょう。

一方デメリットは「誰にどの名刺を渡したか」を管理していないと、後々トラブルにつながってしまう可能性があることです。また、名刺を使い分けることで受注可能な業務範囲が実際よりも狭い印象を与えるかもしれないことも挙げられます。どうしても使い分けなくてはならないケースもあるかもしれませんが、そうでない場合は、1つの名刺で営業する方がスムーズと言えるでしょう。

自宅住所を名刺に記載するべきか?

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Leap Security名刺 by Hasanssin

もちろん名刺には連絡先を記載しますが、とくに「携帯電話番号」と「メールアドレス」は必須です。数年前までは固定電話でないと信頼性に欠ける印象もありましたが、現在はフリーランスのデザイナーであれば携帯電話の表記が一般的です。むしろ、固定電話よりも連絡がつきやすい携帯電話の方が安心されるかもしれません。

また、最近では「Gmail」がポピュラーになったことでフリーメールも市民権を得ましたが、信頼性に欠けるフリーメールを使うのは避けましょう。クライアントによってはFacebookメッセンジャーの方が連絡を取りやすいという場合もありますし、SNSはデザイナーとしての知見や人脈をアピールするツールにもなるため、FacebookなどのSNSアカウントを記載するのもオススメです。

「住所」も連絡先の1つなので、基本的には記載するべき要素です。事業を営む場所がわからないと、ビジネスで契約を結ぶ上で不信感を抱くかもしれませんし、手続き上の書類の郵送先もわかりません。ただ、自宅がオフィスの場合は、住所を名刺に記載することに抵抗や不安もあるかもしれません。次の章でその対策を紹介します。

住所貸しサービスを利用するのも1つの手

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The Poke Story名刺 by Rose”

特に女性デザイナーの場合、一人暮らしの自宅の住所を記載した名刺を不特定多数に配ることは避けたいものですが、住所の記載がない名刺では不信感を与えかねません。そこでオススメしたいのが「住所貸しサービス」です。

費用はかかりますが、住所を貸してくれるだけでなく郵便物の転送サービスもあるのでとても便利です。その際に気を付けたいのは、世間話としてクライアントと事務所近辺の話題になった時です。「住所を借りているので…」とは言えないでしょうから、「渋谷にシェアオフィスを借りていますが、ほとんど自宅で仕事をしています」というように、記載住所の近辺に詳しくなくても不信感を抱かれないようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?名刺はデザイナーにとってセンスやパーソナリティをアピールできるツールであり、営業活動における核となります。第一印象を左右する大切なビジネスツールとも言えるため、クライアントの視点に立って「ビジネスパートナーとしての信頼感」「デザイナーとしてのスペシャリティ」「仕事を依頼する際の連絡しやすさ」が感じられる名刺を作成してみてください。