ポルカドット。宇宙そのものが身に着けている唯一の装飾モチーフとして、私たちはポルカドットをかなり本格的に紹介する価値があると考えています。

実際、ポルカドットは、私たちが想像する以上に歴史が深いです。19世紀半ば、英国でメンズファッションの世界で初めて流行してから、ポルカドットは(ちなみに、ポルカダンスとの関係性は証明されていません。フラメンコとの関係は証明されています)現代美術の歴史の中で、思いのほか重要な位置を占めるようになりました。

宇宙

ESA/Hubbleより

ポスト印象派の画家、ジョルジュ・スーラが描いた作品から、物議をかもす現代美術アーティスト、ダミアン・ハーストの何百万ドルもする作品まで、ポルカドットを用いた数多くのすばらしい作品について見ていきましょう。

そして、グラフィックデザインに関してはどうでしょうか?もちろん、見事なロゴ、商品パッケージ、そしてその他にもポルカドット模様のものがたくさんありますが、ドットはそれ以上にもっと深いところにまで及んでいます。

(左)元英国首相のウィンストン・チャーチル、勝利の水玉の蝶ネクタイを着こなしている(右)フラメンコダンサー

今までもしDPI(dots per inch;ドット毎インチ)やPPI(pixels per inch;ピクセル毎インチ)の用語について考えたことがあれば、印刷とデジタル両方のデザインされた画像はドットの集まりによって構成されていることを知っているでしょう。その通りです。ここではまずビッグ・バンから取り上げ、そしてコンピューターモニタとインクジェットプリンタの内部構造にクローズアップしていくつもりです。それでは早速見ていきましょう。

アートの中のポルカドット

点描画法

ジョルジュ・スーラ

ジョルジュ・スーラと彼が点描画法で描いた絵画作品のひとつ「サーカスの客寄せ」(1889)の細部

19世紀後半、印象派に続き、点描画法は目に見える筆のタッチをさらに押し進めるという急進的な実践に取り組みました。たくさんの小さなドットからなる絵を描き始めたのです。(実際、現代のプリンタの仕組みにかなりよく似ています)

フランス人画家、ジョルジュ・スーラによって擁護されたこの技法は、色彩理論の仮説から来ています。すなわち、たくさんの異なった、かつ補色カラーのドットをそれぞれ隣り合わせに置くと、(CMYKプリントで起こるように)人間の目ではそれらが中間色調に溶けこんで見えます。しかし、実際に絵画で実践してみると、これはうまくいきませんでしたが、それでも出来上がった作品は目をみはるものでした。

ジョルジュ・スーラ、「グランジャット島の日曜日の午後」(1884)

ジョルジュ・スーラの代表作「グランジャット島の日曜日の午後」(1884)

ベンデイドット

ロイ・リキテンスタイン、「Forms In Space」(1985)

ロイ・リキテンスタインとベンデイに影響を受けた作品「Forms In Space」(1985)

1950年代コミックブックは色のスペクトルを成し遂げるために、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのわずか4つの印刷プロセスカラーを使用するという安上がりな方法を採用しました。イラストレーターのBenjamin Henry Day, Jr.にちなんで名付けられた “ベンデイ”方法はドットを異なった感覚で重ね合わせ(もしくは配置して)、新しい色調の認識を作り出します。たとえば、シアンとイエローを重ねるとグリーンが出来上がり、マゼンタのドットを白いものの上にさらに間隔をあけて置くとピンクという知覚を作り出します。

ポップアーティストのロイ・リキテンスタインはこの方法の技巧を、自身のコミックブック画の象徴的な大型スケールのペイントで明白なものにしました。

ロイ・リキテンスタイン、「M-Maybe」(1964)

ロイ・リキテンスタインの有名な作品「M-Maybe」(1964)

ベンデイドットメイク

このメークアップアーティストはリキテンスタインに影響を受けた驚くべき衣装をうまくまとめている。

インフィニティ・ドット

草間彌生、「Infinity Dots Mirrored Room」(1996)

草間彌生と彼女のインスタレーション「Infinity Dots Mirrored Room」(1996)

もしポルカドットのパワーを理解している人がいるなら、それは日本人アーティストの草間彌生です。生涯を通して精神病に苦しみ、東京の精神科の病院で自発的に暮らしているこのアーティストは、作品を作るという精神的なセラピー治療の繰り返しがなければ、ずっと昔に自殺していただろうと語っています。彼女のインスタレーションは、ポルカドットの彫像とミラーを使用し、模様が延々と広がっています。その壮大なドットについて、草間彌生はこう語っています。

「ポルカドットは太陽と月を形どっています。太陽は全世界と私たちの生きている人生のエネルギーの象徴です。そして月は、穏やかで、丸く、柔らかく、カラフルで、無意味で、無知の象徴です。ポルカドットはムーブメントになっています・・・インフィニティ(無限の宇宙)への道筋なのです」

草間彌生、「Passing Winter」(2009)

草間彌生、「Passing Winter」(2009)

ダミアン・ハースト

ダミアン・ハースト、「神の愛のために」(2007)

ダミアン・ハーストと1億ドル(約111億円)の価値がある、ダイアモンドをちりばめた頭蓋骨「神の愛のために」(2007)

2億ポンド(約300億円)以上もの資産を有するイギリス人アーティストのダミアン・ハーストは、2012年、ポルカドットの流行に便乗し、300ものドット作品のシリーズを発表しました。これにより、世界で最も裕福な現存アーティストとなりました。チャリン!

ダミアン・ハースト、「Myristyl Acetate」(2005)

ダミアン・ハースト、「Myristyl Acetate」(2005)

グラフィックデザインとプリント工程へのピクセル

左:RGBサブピクセル、中央:ピクセルとプリントされたドットに関する図解、右:そして実際にクローズアップされたプリンタのドット画像

ピクセル、ドット、そしてポイント―なんとまあ!これら3つの要素の相互関係はPhotoshopに詳しい人なら知っている“DPI” や “PPI”の分野という形で実質的に明らかとなっているように、その相互関係についてのみ書いたブログが投稿できるほど複雑です。(これについては乞うご期待・・・)

今のところ、あえて言うなら、コンピュータ画面はピクセルの列が縦横並んで構成されており、さらに各ピクセルは加色法の結果として知覚色のスペクトルを生成し、さまざまな組み合わせで光るレッド、グリーン、ブルーのサブピクセルでできています。一方プリンタは1インチあたり300から600の密度で小さなドットとしてインクを噴出しています。

これでわかったでしょうか?根本的には、どんなデザインであっても、ただ何らかのドットが集まっているだけです。ドットを尊敬しましょう!そしてポルカドットを装飾として積極的に使用しましょう。最後にそのすばらしいデザイン例をご覧ください。

デザイン by TintoDeVerano

リキテンスタインに影響を受けた99designsデザイナーTintoDeVeranoによる見事な名刺

デザイン by Boola

99designsデザイナーBoolaによるロゴデザインでのポルカドット

Kirstie Hardingham、「Branding the Polka Dot」

デザイナーKirstie Hardingham、「Branding the Polka Dot

Paco & Lola's Raspberry Liqueur

Paco & Lola’s Raspberry Liqueurのこのパッケージデザインは草間彌生に誇りを感じさせるだろう

Miguel Endaraが点で肖像画を描く過程を撮影した驚くべき動画

最近すばらしいポルカドットのデザインに触れましたか?

[ 翻訳:shunichi shiga ]