
商品、店舗、サービスなど、新しいものが生まれた時に必要なのが「名前」です。
中身を的確に表していて、みんなに興味を持ってもらえる名前を考えるのはなかなか大変ですが、要領を押さえると良い案が浮かびます。
ここでは、ネーミングのコツをお教えしましょう。
ネーミングのコツをつかむ第一歩
やはり、ただ漠然と「何か良い名前はないかな」と考えるだけでは、いつまで経っても素晴らしい案は浮かびません。
「名前を付けるもの」の本質を探ってください。
まず、「何をするものか」を考えます。商品だと「掃除をするもの」や店だと「炉端焼きを提供する店」というふうに具体的な目的を把握します。
次に、「特徴になるものは何か」を考えます。
「一拭きでホコリが全部取れる」や「新鮮なカキの焼き立てを食べられる」など売りにするものがあるでしょう。
もしくは、掃除用品自体では「清潔感」「爽やか」など、炉端焼き店自体では「庶民的」「懐かしい」などの従来のイメージも挙げられます。
そして、「対象者は誰か」を考えます。掃除用品なら主婦で、炉端焼き店ならサラリーマンが一般的かと思います。
ただ、変則的に、掃除用品でもこのような時短商品だと若い独身男性向けの場合があるかもしれません。
また、住宅地にある炉端焼き店だと家族向けの場合もあります。
その辺りを正確に見極めましょう。
いよいよ具体的なネーミングへ
これらの事が整理できたら、そこから思い付く単語を書き出していきます。
思い付いた単語からさらに連想される単語も追加していきましょう。その中から気に入った単語を選びます。
外国語でも大丈夫なものでしたら、ネーミング辞典や翻訳サイトで色々な言語を調べるのも良いでしょう。
もし海外への展開も視野に入れているなら、外国語で相応しくない意味にならないかも調べておくと安心です。
そして、1つの単語で理想的なものが決まらない時は、単語を組み合わせるのも手です。
ただ、あまり長いと覚えにくいので、2、3個までにしましょう。
短い単語だったらそのまま並べる、ある程度長さがあったら先頭同士をくっつける、前と後ろをくっつけるなど、組み合わせ方法は無限に存在します。
外国語に日本語を組み込むという方法は、最近の流行と言えます。
対象者に合わせたネーミングは?
対象者が男性、女性、子供など、はっきりと分かれている時は、その区分に合った名前を付ける事が肝心です。
例えば、男性は「ガ」「ダ」「バ」といった力強さを感じる濁音を好む傾向があります。
逆に女性は拒否反応を起こすそうです。
女性は「サ行」や「ラ行」の爽やかで軽やかな音を好みます。
子供が対象だと、漢字ばかりでは難しすぎるので、平仮名や片仮名が良いでしょう。
ただし、これらはあくまで一般論で、奇抜な名前が注目を集める事もあります。
必ず商標の確認を
素敵な名前ができても、そこで安心してはいけません。
世間に出すとなると、商標の問題が発生します。
もし、その名前がすでに商標登録されていたら、自ら商標登録できないだけでなく、一切どこにも使用できないのです。
そうなる前に、特許庁のデータベースで検索しましょう。
特許情報プラットフォーム:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage
こちらで、「商標を探す」を選び、検索窓に「?自分で考えた名前?」を入力して検索します。前後に付けた「?」は、その言葉を含む全部の商標を調べる条件です。
商標は一部に同じ言葉が入っていると認められない場合も多いのです。
ただ、同じ名前があっても、違う区分だったら大丈夫です。
区分の種類:http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/ruiji_kijun9.htm
ちなみに、商標登録していない名前は、同じ名前を他人が商標登録すると、先に名付けていても使えなくなりますので、商標登録はしておいたほうがいいでしょう。

同じ製品なのに改名しただけで10倍も売れたという話があるように、ネーミングはマーケティング上の大切な要素です。
希望の名前が見つかれば、そこからロゴ、サイトの雰囲気、パッケージデザインなどを決める事に広がるでしょう。