シンプルデザインの看板

街の中にはさまざまな看板があふれていて、どれも色や形、素材など、さまざまな工夫が施されています。カラフルな看板が立てられている賑やかな街では、逆にシンプルなデザインの看板の方が、その中で人目につきやすいこともあります。では、シンプルな看板をデザインするためのポイントを紹介します。

どうしてシンプルデザインの方が目立つのか?

シンプルデザインを好む理由

看板は人や建物が集まっている場所に設置されていることが多く、そのデザインは様々です。看板がたくさん設置されている場所では、「カラフルな看板がたくさんあるな」とひとまとめに認識されてしまい、どれも同じような看板だと思われやすくなってしまうので、結果カラフルなのに目立たないということになりかねません。

一方シンプルなデザインの看板は、内容が明確に表現されていることもあり、周囲の看板と差をつけることによって人々の目を引き、注意をひきやすくなります。ただ単に「シンプルであればいい」というわけではなく、掲載されている内容や色使いなど伝えたいことが明確なデザインであることが大事です。

一目で内容がわかる看板づくりを心がける

一目でわかる看板

人が看板を見る時間は、車の運転中で約3〜5秒と言われています。また、歩行者は自分にとって必要な情報しか見ないという調査結果も出ており、ほとんどの人は視界に看板が入ってもその内容までを見てはいないとされているのです。

そんな状態の中では、いかに情報をキャッチしてもらうかが重要となるので、一目見ただけでその看板がどのような内容なのかわかるようにデザインする必要があります。

わかりやすいシンプルなデザインにするためには、内容を1つに絞り込むことがポイントです。例えば企業の認知度を上げたいという依頼ならば、極端なことを言えば、その企業の会社名やロゴを掲載するだけでも十分です。ただし、ロゴだけとは言っても、ロゴの色やフォント、余白のバランスなどを考えながら、より広告として効果的なデザインにする必要があります。

ムダなものを省いて必要最低限の情報を載せる

ムダを省く

看板にはたくさんの情報は必要ありません。前述したように、人が看板の内容を捉えるのはほんの一瞬です。たくさんの情報を載せたところで、そのすべてを捉え切れるはずもなく、それどころか一体何を伝えたい看板なのかさえわからなくなってしまいます。

看板というメディアの役割は、人により詳しい情報を伝えるためにあるのではなく、見た人にインパクトを与えることで興味をひくためのツールとして使われることが多いです。クライアントから得た多くの情報の中から「絶対に必要」と判断した情報以外を削除していき、内容や見た目をよりシンプルにすることで、効果的で印象に残る看板に仕上げていくことができるでしょう。

街の景観に配慮した色使いで印象づける

街の景観を意識

看板や屋外広告を制作したことがある方なら、少なからず「マンセル値の制約」を受けたことがあるのではないでしょうか?1905年にアルバート・ヘンリー・マンセルさんによって考案された「マンセル・カラー・システム」では色を、色相、明度、彩度の三属性に分類しています。現在日本国内で、景観を損なわないために、看板デザインに対してこの三属性に規定を設けている自治体が増えてきています。

「目立つ色を使いたい」とデザイナーが思っていても、看板を設置する場所によってはその色が使えないことがありますので、事前に各自治体のホームページなどで調べておくのがオススメです。

看板は調和が大事

シンプルな看板は、「看板を見る人の立場や心情を想像しながら、より効果的にデザインする」ことが大切なポイントとなります。また、「いかに多くの情報をわかりやすく簡潔にまとめられるか」という面でデザインの訓練にもなるので、ぜひ積極的に挑戦していきましょう。