雑誌の表紙デザインの上手な処理方法

Alex Bigman

雑誌の表紙をデザインすることはデザイナーの夢です。そこにはたくさんの制約があります。約20センチ×28センチの定められたスペースで、1冊を通しての多少の統一感を出さなくてはいけません。しかし何よりも、その出来栄えは業界で有数のフォトグラファーやイラストレーターと共に作業し、テキストや修正した写真を配置するあなたの手に懸かっています。あなたのミッションはただ1つ:その雑誌の内容を表現し、購入者が書店の棚から手に取りたくなるような表紙にすることです。

印刷メディアの世界は縮小されつつありますが、雑誌の表紙は、特にウェブデザイナーやパッケージデザイナーなど、様々なデザイナーにとって助けになる実践上のヒントに富んでいます。ここに挙げるのは、すべてのデザイナーが知っておくべき、雑誌の表紙をデザインする際の8つのテクニックです。

1. 明るい色の背景に暗い色、または暗い色の背景に明るい色のテキスト配置

色とテキスト配置

左:Morberg (via Me and My Magazines)、中央:Interview (via Creative Bloq)、右:(via Pinterest)

雑誌の表紙の背景部分の多くは、基本的に写真またはイラストのどちらかでしょう。どちらにしても、魅力的なイメージは明るい色と暗い色のコントラストが丁度良い配分になっています。文字が読みやすいことは言うまでもなく、暗い色の背景には明るい色、またはその逆にする必要があります。

雑誌の表紙デザインの多くは、文字の配置に適した場所を見つけることです。『New York Times Style』では、“talking dirty”というフレーズが下の方の、ジョージ・クルーニーのシャツの最も暗い部分に配置されています。また、『Interview』では、キーラ・ナイトレイの上に被せた文字が、暗い色のコートのラインに沿って置かれています。

都合が良いことに、現代のデザイナーはPhotoshopのような編集ソフトを利用することができるため、デジタル処理で写真の領域を明るくしたり、暗くしたりすることが簡単にできます。『Morberg』の表紙の前面に打ちつける波は、雑誌の内容を説明する暗い色の文字を配置するのにピッタリの場所ですが、あまり“自然な”配置ではないかもしれません。デザイナーは、文字を明るい色にするか、ここにすべての文字を入れることもできたでしょう。うまくいけば、予想以上に素晴らしくなります。

2. テキストの色を合わせ、引き立たせる

テキストの色を合わせで引き立てる

左:Seventeen Magazine (via naldzgraphics)、中央:Home Miami (via You the Designer)、右:Dwell Magazine

白色と黒色は、サブタイトルやその他の小さな文字によく使用される堅実なチョイスですが、雑誌の表紙の大きくて太いテキストエレメントは重要な色を入れる最適な場所です。

腕の良いデザイナーなら誰でも知っていますが、決してでたらめに色を選択してはいけません。雑誌の表紙デザインで一般的なやり方は、ベースとなる写真やイラストの特定の色鮮やかな部分に合わせるか、引き立たせることです。例として挙げているマイアミ版『Home』では、パティオチェアの鮮やかな赤色にタイトルの色を合わせ、『Seventeen』のタイトルはアヴリル・ラヴィーンの口紅のピンク色にマッチしています。一方、『Dwell』では写真の中には使われていないオレンジ色が使われていますが、写真の主な色となっているブルーがうまく引き立ち、トーンも合っています。

3. 画像の前面と背面に立体的なテキストを使用する

立体的なテキスト

左:Vanity Fair (via You the Designer)、中央:New York Magazine (via Behance)、右:Rolling Stone

雑誌の表紙はまさに平坦ですが、それはすべてのデザインエレメントを単一面に配置しなければいけないということではありません。一般的な方法の1つは、写真やイラストが部分的に他のテキストの前面や背面にかぶさりながら配置するもので、3層構造を効果的に作り出します。

Vanity Fair』ではティナ・フェイを採用した表紙に、この手法を取り入れています。『Rolling Stone』では、テイラー・スウィフトを全面に押し出した表紙になっており、彼女の写真は、タイトルの文字をほとんど隠してしまっています。そして、『New York』の表紙では、イヤフォンのイラストが“k”の文字に巻き付こうとしていることにお気付きでしょうか。

4. 背景や太字、イタリック体などで強調する

背景、太字、イタリック体で強調する

左:Wired (coverjunkie)、中央:Popular Mechanics (coverjunkie)、右:Cosmopolitan

雑誌の表紙の主な役割の1つは、その号の内容を売り込むことです。つまり、表紙には広告用の短い情報文がたくさん散りばめられています。これらが多くなればなるほど、それぞれの情報に読者の目を引き付けるためにデザイナーはより多くの方法を考え出さなければなりません。概して大々的に売り出す人気雑誌では、特に対処が必要です。

最も分かりやすいものでは、太字とイタリック体が最適です。そこから、色付けや成形した背景で装飾をすることができます。『Wired』の表紙のピンクと黄色のストライプや、『Popular Mechanics』のギザギザのあるブルーのリボンに注目してください。『Cosmopolitan』ではご覧いただけるように、ありとあらゆる手法を用いています。

5. 写真と絵を融合する

写真と絵を融合する

左:Fiasco (via Creative Bloq)、中央:Nature (via coverjunkie)、右:Esquire

卑しいいたずら書きを思い起こさせますが、写真とイラストやデザインエレメントの融合は、表紙を目立たせるのによく使われる素晴らしい方法です。雑誌『Fiasco』や『Nature』で、イラストと写真が組み合わされている巧みな手法をご覧ください。そしてマレーシア版『Esquire』では、ダニエル・クレイグが典型的な印刷フォントではなく手書きのテキストで囲まれています。

6. イラストやデジタルデザインを全面に使う

イラスト、デジタルデザインを全面に使う

左:WP (via Pinterest)、中央:WP (via Graphic Art News)、右:The New York Times Magazine (via You the Designer)

写真を中心とした手法と比べると、あまり一般的ではありませんが、魅力的なイラストや活字のみの表紙を成功させることはできます。もちろんそれには、色彩の良さやユニークなスタイルが鍵となります。

7. 退屈な素材に趣を添える

退屈な素材に趣を添える

左:Little White Lies、中央:Slanted (via coverjunkie)、右:The New Yorker

価格、日付、バーコードといったエレメントは、ほとんどのデザイナーにとっては、あまり興味を引くものではありませんが、それでも表紙に載せる必要があります。ほとんどの雑誌は、これらのエレメントを左下の隅のありきたりな場所へ追いやって、手を出そうとはしません。しかし、これらを配置する独自の場所を見つけ、それ自体で人目を引くデザインエレメントに変化させる雑誌もあります。

例えば、『The New Yorker』では、タイトルの上に価格と日付がクラシックなNew Yorkerのフォントで表記されています。また、『Little White Lies』では常に、中心に配置された丸窓にバーコードが表示されています。『Slanted』の特別版ではプリントエラーのように見せかけて、紫色のバーコードがど真ん中に印刷されるデザインになっています。

8. 一貫性を大切にする

一貫性を大切にする

まとめ

以上のすべてのテクニックはデザイナーがクリエイティブになるのに十分ですが、どの定期発行雑誌も、そのブランディングを維持するために毎回発行される各号にある程度の一貫性を持たせる必要があると覚えておくことがとても重要です。

型にはめろということではありませんが(1つの手法に固着しているように思われる出版物もありますが)、全体的なレイアウトや雰囲気を大体一定に保つことが大切です。その意味を確認するために、『Cosmopolitan』や『Dwell』、『Time』のこれまでの表紙をチェックしてみてください。

あなたが特に好きな雑誌の表紙デザインはありますか?

[ 翻訳:shunichi shiga ]

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文字デザインを良く見せるための10のヒント:カーニングを使いこなす

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印刷術において、カーニングとは隣り合う文字のスペースを調整することをいいます。締め切りに追われてヘトヘトになっている時には、省略してしまいがちの処理です。 クライアントの中にはカーニングのことすら知らない人も多いでしょうが、カーニングを怠った文字のデザインを見れば、彼らは何かが変であることに直感的に気づきます。カーニングを使いこなすことで、デザインがよりプロフェッショナルなものに仕上がります。作業の最後たった数分間を費やすだけでいいのです。プロのデザイナーとしては、カーニングの技術を習慣として身に付けておきたいものです。 以下、カーニングに関する10個のヒントをご紹介します。 1. カーニングの前にリーディングとトラッキングの処理を行う — トラッキングとは、文字の集合体の中の全体的な間隔を調整することで、リーディングとは、行間の縦の間隔を調整することをいいます。まずは、このリーディングとトラッキングの調整から行いましょう。カーニングの後にこれらをやってしまうと、カーニング調整を行ってバランスを取ったものが、すべて無効になってしまいます。 2. ソフトウェアの自動調整機能を使わない — 見出しやロゴなどの文字のデザインでは、ソフトウェアでデフォルトになっている間隔調整の機能を使わずに、手動でカーニングを行いましょう。書体ごとに文字の間隔は違いますので、各書体に合わせて調整を行う必要があるからです。 グラフィック系のプログラムでは、メトリクス/和文等幅カーニングやオプティカルカーニングなどの自動カーニングツールがデフォルトになっています。これらのツールは文字の形を元に間隔を調整します。しかし、カーニングを手動で行えば、もっと自由に配置をすることができます。 カーニングを行うには、文字パネルを使用します。文字パネルは、Photoshop、InDesign、Illustratorのどのプログラムでも大体同じような見た目をしています。まず、「文字」パネルを開きます。次に、カーニングを施したい文字の間にカーソルをもっていき、ダブルクリックします。これで文字ツールが有効になりました。続いて、文字パネルからカーニングの数字を変更します。試しに数字を増やしたり減らしたりしてみて、2つの文字の間隔がどのように変化するか確認してみてください。 キーボードのショットカットキー:2つの文字の間をクリックし、「option」または「Altキー」を押したまま、左右の方向キーを使えばカーニングを調整できます。 3. 文字間のスペースの見た目を均等にする — カーニングは、数学的に均等なスペースの大きさのことではありません。人間の目で見た時の見た目を均等にすることをいいます。カーニングの技術とは、一般的に文字間のスペースを視覚化し、埋めることです。そして、そのスペースを均等な分量にしようと試みることです。カーニングをする際には、文字にズームインしすぎないように注意しましょう。近寄りすぎると、実際よりもスペースが大きく見えてしまいます。 4. 文字ごとにスペースの空き具合が違う — 文字というのは、直線やカーブ、傾斜や角などがあり、それぞれ特徴がありますので、文字同士の基本的な関係性を知っておけば、カーニングも理解しやすいでしょう。カーニングの基準として、直線が並んだ時のスペースを1とする方法があります。直線とカーブが隣り合った時は、基準の1より少しだけ狭めにします。カーブ同士の場合は、さらに狭めます。Aやv、yのような傾斜の入ったものは、一番やっかいです。なぜなら、傾斜になっていることで、不要なスペースが大きくなるからです。このような文字にはいつも以上に注意していただきたいのですが、他の文字にこのルールは当てはまらないということも頭に入れておいてください。 5. 文字を逆さまにしてカーニングする — 文字を逆さまにすることで、文字の意味にとらわれるとこなく、ただのスペースのある記号の集合体として客観的に見ることができます。 6. 3文字ごとにカーニングする — カーニングをする時は、単語の頭3文字からやってみましょう。作業中、他の文字は手や紙で隠しておいてください。頭3文字の調整が終わったら、1文字ずつずらして、最後まで見ていきましょう。 7. 「Less is more(少ないほうがいい)」 のモットーを忘れずに — カーニングはやりすぎるより、やらなさすぎるほうが、いい仕上がりになります。スペースを詰めすぎてしますと、見た目も美しくないですし、読みにくくなってしまいます。 8. フォントの大きさによってカーニングの処理を変える — これは、ロゴなどでサイズ違いのものを作る場合に必要な処理になります。小さいサイズ間の変更であればカーニングの違いはあまり分かりませんが、見出しやロゴなどの場合は違いがはっきりします。小さめのロゴの場合はカーニングを減らしてあげることが必要になる場合もあります。 9. 注意が必要な文字同士の並びに気をつける — 大文字の、W、Y、V、T、L、Pや、小文字のy、kなどの文字は、カーニングする時に注意が必要です。大文字と小文字が隣り合った時にも同じことが言えます。この問題を解決する時は、これらの注意すべき文字を先に調整して、他の文字のカーニングは後回しにしましょう。 10. 練習を重ねる — このような技術が自然にできるようになるまでには、練習が必要です。手始めに、この面白いカーニングゲームをやってみてください。これは、カーニングの達人を相手に、あなたが行ったカーニングの処理を採点してくれるというゲームです。 これは覚えておいてください。カーニングとは、文字の集合体の合間のスペースに一貫性を持たせるということです。この一貫性がよりいいものになれば、それだけ言葉にリズムとハーモニーを持たせることができます。 カーニングのコツは分かりましたか?ぜひコメントをしてシェアしてください! [ 翻訳:shunichi shiga ]

タイポグラフィに関する5つの重要なルール

タイポグラフィに関する5つの重要なルール

グラフィックデザインにおける要素に“VIP”部門があるなら、タイポグラフィはその上位に入るでしょう。たとえロゴがすばらしいレイアウトを持っていても、文字要素が優れていなければ好意的なフィードバックは得られません。 タイポグラフィはデザインを作るものであると同時に、崩すものでもあります。これからご紹介する5つのルールを理解することが大切です。 1. レディング — レディングとは文字列の行送りのことで、一般的には各行のベースラインからベースラインまでを測ったものです。レディングは文字列の視認性に影響するため、パラグラフを設定する際に重要なものとなります。レディングがなければ、文字列は狭苦しい印象を与えるでしょう。もしレディングが多すぎても、その空きすぎたスペースにより、文字列はまとまりのないものになってしまいます。 ご使用のプログラムによって、レディングの変更方法は異なります。大まかな方法は、フォントの高さより2pt上回るレディングとすることです。例えば、10ptのフォントを使用しているなら、レディングは12ptとなります。これは使用しているフォントによって変わり、フォントが違えば必要な行間も違ってきます。 2. トラッキングとカーニング — トラッキングとカーニングは、両者とも文字間のスペースを調整するという点で似ています。では、その違いは何でしょう?トラッキングは文字のグループ間の調節、そしてカーニングは個々の文字間の調節です。プリントする段階で文字が互いにぶつかり合わないようにするには、トラッキングを調節しておくべきです。さらに、トラッキングは文字の読みやすさや密度を改善するのに役立ちます。 カーニングは、ヘッドラインやすべてが大文字の表記、またはロゴなどの視認性を全体的に向上するので、とても効果的です。とても役に立つものですが、あまり多用しすぎてもいけません。1つの単語であるはずの会社名を2つの単語に見えるようにはしないでください。 3. セリフ体とサンセリフ体 — セリフとは、文字や記号のストロークの端に付く飾りのことです。長文が使われる書籍や雑誌には、セリフ体が最適です。セリフ体はベースラインにうまく沿うので読者の目を次の言葉へと導く手助けになり、長時間読まれるものに適しています。 4. 書体の数 — 異なる書体を組み合わせることでレイアウトをダイナミックに見せることができますが、あまり多くの書体を使い過ぎると、読者の気が散ってしまいます。たくさんのフォントがあると、どのエレメントが重要なのか分かりにくくなります。 一般的なルールは、1つのプロジェクトには3種類以下のフォントを使用することです。例えば、2種類のフォントをヘッドラインと本文に使用します。そのフォントはそこから太字やイタリック体にしたり、小見出し用にサイズを変更したり、大文字にしたり、またはその他のデザインエレメントにしたりすることができます。 デザインドキュメントが長ければ、より多くのフォントを使用することができます。しかし、パンフレットや広告、またはその他の短いドキュメントの場合は、1~2種類のフォントの使用に留めておいた方が良いでしょう。 5. 本文の長さ — 新聞を見ると、記事がコラムに分けられていることに気付くかと思います。1行の文字数が短いと記事を分割でき、文章が読みやすくなります。人間の目は、行の文字数が多過ぎると必然的に疲れるものです。 正確な文字数を予測するのは難しいですが、一般的なルールは各行を50~60文字未満にすることです。これは標準的な数字ですので、デザインプロジェクトによって調節すると良いでしょう。 同様のルールがヘッドラインにも適用できます。ヘッドラインは一般的に50文字以下とされていますが、1行の文章を短くすることは有益です。例えば、“すぐに使える何百ものデザインのチャンス” という見出しについて作業している場合、それを細かく分けることで読みやすくできます。 読者が流れるように読み進めることができるように、文章を短くしてください。そしてしっかりとフォントサイズを調節すれば、行がうまくそろうでしょう。 ご紹介した5つのルールは大切ですが、タイポグラフィのルールは学ぶべきものが他にもたくさんあります。 フィーチャー画像:arnoKath [ 翻訳:shunichi shiga ]

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