雑誌の表紙をデザインすることはデザイナーの夢です。そこにはたくさんの制約があります。約20センチ×28センチの定められたスペースで、1冊を通しての多少の統一感を出さなくてはいけません。しかし何よりも、その出来栄えは業界で有数のフォトグラファーやイラストレーターと共に作業し、テキストや修正した写真を配置するあなたの手に懸かっています。あなたのミッションはただ1つ:その雑誌の内容を表現し、購入者が書店の棚から手に取りたくなるような表紙にすることです。

印刷メディアの世界は縮小されつつありますが、雑誌の表紙は、特にウェブデザイナーやパッケージデザイナーなど、様々なデザイナーにとって助けになる実践上のヒントに富んでいます。ここに挙げるのは、すべてのデザイナーが知っておくべき、雑誌の表紙をデザインする際の8つのテクニックです。

1. 明るい色の背景に暗い色、または暗い色の背景に明るい色のテキスト配置

色とテキスト配置

左:Morberg (via Me and My Magazines)、中央:Interview (via Creative Bloq)、右:(via Pinterest)

雑誌の表紙の背景部分の多くは、基本的に写真またはイラストのどちらかでしょう。どちらにしても、魅力的なイメージは明るい色と暗い色のコントラストが丁度良い配分になっています。文字が読みやすいことは言うまでもなく、暗い色の背景には明るい色、またはその逆にする必要があります。

雑誌の表紙デザインの多くは、文字の配置に適した場所を見つけることです。『New York Times Style』では、“talking dirty”というフレーズが下の方の、ジョージ・クルーニーのシャツの最も暗い部分に配置されています。また、『Interview』では、キーラ・ナイトレイの上に被せた文字が、暗い色のコートのラインに沿って置かれています。

都合が良いことに、現代のデザイナーはPhotoshopのような編集ソフトを利用することができるため、デジタル処理で写真の領域を明るくしたり、暗くしたりすることが簡単にできます。『Morberg』の表紙の前面に打ちつける波は、雑誌の内容を説明する暗い色の文字を配置するのにピッタリの場所ですが、あまり“自然な”配置ではないかもしれません。デザイナーは、文字を明るい色にするか、ここにすべての文字を入れることもできたでしょう。うまくいけば、予想以上に素晴らしくなります。

2. テキストの色を合わせ、引き立たせる

テキストの色を合わせで引き立てる

左:Seventeen Magazine (via naldzgraphics)、中央:Home Miami (via You the Designer)、右:Dwell Magazine

白色と黒色は、サブタイトルやその他の小さな文字によく使用される堅実なチョイスですが、雑誌の表紙の大きくて太いテキストエレメントは重要な色を入れる最適な場所です。

腕の良いデザイナーなら誰でも知っていますが、決してでたらめに色を選択してはいけません。雑誌の表紙デザインで一般的なやり方は、ベースとなる写真やイラストの特定の色鮮やかな部分に合わせるか、引き立たせることです。例として挙げているマイアミ版『Home』では、パティオチェアの鮮やかな赤色にタイトルの色を合わせ、『Seventeen』のタイトルはアヴリル・ラヴィーンの口紅のピンク色にマッチしています。一方、『Dwell』では写真の中には使われていないオレンジ色が使われていますが、写真の主な色となっているブルーがうまく引き立ち、トーンも合っています。

3. 画像の前面と背面に立体的なテキストを使用する

立体的なテキスト

左:Vanity Fair (via You the Designer)、中央:New York Magazine (via Behance)、右:Rolling Stone

雑誌の表紙はまさに平坦ですが、それはすべてのデザインエレメントを単一面に配置しなければいけないということではありません。一般的な方法の1つは、写真やイラストが部分的に他のテキストの前面や背面にかぶさりながら配置するもので、3層構造を効果的に作り出します。

Vanity Fair』ではティナ・フェイを採用した表紙に、この手法を取り入れています。『Rolling Stone』では、テイラー・スウィフトを全面に押し出した表紙になっており、彼女の写真は、タイトルの文字をほとんど隠してしまっています。そして、『New York』の表紙では、イヤフォンのイラストが“k”の文字に巻き付こうとしていることにお気付きでしょうか。

4. 背景や太字、イタリック体などで強調する

背景、太字、イタリック体で強調する

左:Wired (coverjunkie)、中央:Popular Mechanics (coverjunkie)、右:Cosmopolitan

雑誌の表紙の主な役割の1つは、その号の内容を売り込むことです。つまり、表紙には広告用の短い情報文がたくさん散りばめられています。これらが多くなればなるほど、それぞれの情報に読者の目を引き付けるためにデザイナーはより多くの方法を考え出さなければなりません。概して大々的に売り出す人気雑誌では、特に対処が必要です。

最も分かりやすいものでは、太字とイタリック体が最適です。そこから、色付けや成形した背景で装飾をすることができます。『Wired』の表紙のピンクと黄色のストライプや、『Popular Mechanics』のギザギザのあるブルーのリボンに注目してください。『Cosmopolitan』ではご覧いただけるように、ありとあらゆる手法を用いています。

5. 写真と絵を融合する

写真と絵を融合する

左:Fiasco (via Creative Bloq)、中央:Nature (via coverjunkie)、右:Esquire

卑しいいたずら書きを思い起こさせますが、写真とイラストやデザインエレメントの融合は、表紙を目立たせるのによく使われる素晴らしい方法です。雑誌『Fiasco』や『Nature』で、イラストと写真が組み合わされている巧みな手法をご覧ください。そしてマレーシア版『Esquire』では、ダニエル・クレイグが典型的な印刷フォントではなく手書きのテキストで囲まれています。

6. イラストやデジタルデザインを全面に使う

イラスト、デジタルデザインを全面に使う

左:WP (via Pinterest)、中央:WP (via Graphic Art News)、右:The New York Times Magazine (via You the Designer)

写真を中心とした手法と比べると、あまり一般的ではありませんが、魅力的なイラストや活字のみの表紙を成功させることはできます。もちろんそれには、色彩の良さやユニークなスタイルが鍵となります。

7. 退屈な素材に趣を添える

退屈な素材に趣を添える

左:Little White Lies、中央:Slanted (via coverjunkie)、右:The New Yorker

価格、日付、バーコードといったエレメントは、ほとんどのデザイナーにとっては、あまり興味を引くものではありませんが、それでも表紙に載せる必要があります。ほとんどの雑誌は、これらのエレメントを左下の隅のありきたりな場所へ追いやって、手を出そうとはしません。しかし、これらを配置する独自の場所を見つけ、それ自体で人目を引くデザインエレメントに変化させる雑誌もあります。

例えば、『The New Yorker』では、タイトルの上に価格と日付がクラシックなNew Yorkerのフォントで表記されています。また、『Little White Lies』では常に、中心に配置された丸窓にバーコードが表示されています。『Slanted』の特別版ではプリントエラーのように見せかけて、紫色のバーコードがど真ん中に印刷されるデザインになっています。

8. 一貫性を大切にする

一貫性を大切にする

まとめ

以上のすべてのテクニックはデザイナーがクリエイティブになるのに十分ですが、どの定期発行雑誌も、そのブランディングを維持するために毎回発行される各号にある程度の一貫性を持たせる必要があると覚えておくことがとても重要です。

型にはめろということではありませんが(1つの手法に固着しているように思われる出版物もありますが)、全体的なレイアウトや雰囲気を大体一定に保つことが大切です。その意味を確認するために、『Cosmopolitan』や『Dwell』、『Time』のこれまでの表紙をチェックしてみてください。

あなたが特に好きな雑誌の表紙デザインはありますか?

[ 翻訳:shunichi shiga ]