レターヘッドのデザインプロジェクトの最後によくあることですが、クライアントがこんなことを言う場合があります。「これを、Microsoft Wordで編集可能なレターヘッドのテンプレートとして作ってほしい」と。大抵の場合、クライアントはAdobeのIllustratorやInDesign、Photoshopといった、高度なグラフィック編集アプリケーションを持っていないか、使い方を知らず、また単に、そのような高価なアプリケーションを購入するのは割に合わないと思っているのでしょう。

Microsoft Wordは、IllustratorやInDesignに比べると、かなりローテクです。でも、それがクライアントの使っているアプリケーションである以上、クライアント自身が内容を編集したり追加したりできないとなれば、あなたのレターヘッドのデザインは役に立たないものになってしまいます。ですから、Microsoft Wordのレターヘッド・テンプレートの作り方を知っておくことは非常に大切です。それでは、始めましょう。

1. レターヘッドのデザインを作成する

Set up your design Convert your letterhead design into an editable MS Word template

今回の例はIllustratorを使って作成していますが、Photoshopや InDesignでもレターヘッドのデザインを作成することができます。また、この例では1/8インチの塗り足しを設けたデザインを採用しており、仕上がり寸法は8.63 x 11.13インチとなります。

デザインを作成する際は、カラーモードをCMYKに設定してください。写真や複雑なグラフィックを使用する場合は、300ppi以上あるものを用意してください。Microsoft Word上では、すべての画像が圧縮されるからです。使い勝手の良い塗り足し付きのレターヘッド・テンプレートは、こちらからダウンロードできます。

2. レターヘッドのデザインを、高解像度のPNGファイルとして書き出す

Export your deisgn as a PNG Convert your letterhead design into an editable MS Word template

これを行うには、ファイル > 書き出し > PNGをクリックし、解像度は300ppiを選んでください。デザインはJPGかTIFFで保存してもいいですが、TIFFファイルは、Microsoft Word上ではサイズが劇的に大きくなり、読み込みにも大変な時間がかかってしまいます。

3. Microsoft Word文書の設定をする

Set up your Word document Convert your letterhead design into an editable MS Word template

レターヘッドのデザインを配置するためのWordの設定に移りましょう。 ファイル > 新規作成をクリックします。Word文書が開いたら、ファイル > ページ設定 > 用紙サイズ > カスタムサイズを管理をクリックします。用紙サイズを 8.75 x 11.13に設定し、塗り足し付きのデザインデータに対応させるために、すべての余白を “0” に設定します。そして、プリントされない領域という項目は “ユーザー定義” とします。これでレターヘッドは、Wordのデフォルトの余白設定ではなく、塗り足し付きで設定されます。

4.レターヘッドのデザインをMicrosoft Word文書に配置する

Insert PIcture Convert your letterhead design into an editable MS Word template

レターヘッドのデザインは、Word文書のヘッダーとフッターの領域に配置され、ページが増えれば、自動的にそのすべてに反映されます。表示 > ヘッダーとフッターを選んでください。すると、文書上にヘッダーとフッターの場所を示すガイドラインが現れるはずです。今度は挿入 > 写真 > ファイルからの画像をクリックします。先ほどのPNGファイルを指定しましょう。するとPNGファイルがページの中心に現れます。PNGの画像を選択し、 書式 > 図をクリックします。

Adjust your picture size Convert your letterhead design into an editable MS Word template

“図の書式設定”のメニューが表示されます。まず、サイズを選びます。Wordは、読み込まれた画像を自動的に縮小してしまうのですが、高さと幅を100%に設定すれば、元々の大きさに戻すことができます。

Adjust picture size Convert your letterhead design into an editable MS Word template

次に、レイアウトと表示されたタブをクリックし、“背面”を選びます。“詳細設定”ボタンをクリックして、横位置、縦位置の距離をそれぞれページに設定してください。そしてOKを押して、図の書式設定で行ったこれらの変更を反映させます。これで、レターヘッドのデザインは、100%の大きさで表示されているはずです。必要に応じて、位置を調整してください。

Convert your letterhead design into an editable MS Word template

その後、表示を選び、 ヘッダーとフッターからチェックを外してください。そうすることでヘッダーとフッターから離れ、テキスト部分の編集をすることができます。この時、ヘッダーとフッターは編集モードではないので、レターヘッドのデザインは色が薄くなっていますが、その通りに印刷されるわけではありません。クライアントに、そう教えてあげましょう。余白と段落のスタイルをお好きなように調整してください。次のページになるまでリターンキーを何度も打って、新しいページが現われたら、そこにも同じデザインが表示されていることに気付くでしょう。これは、デザインが文書のヘッダーとフッターの領域に挿入されているからで、このデザインは、すべての新しいページに自動的に反映されることになります。

5. テンプレートとして保存する

Save it as a template Convert your letterhead design into an editable MS Word template

それでは、ファイル > 名前を付けて保存を選んでください。フォーマットは .dotを指定して 保存します。これで、Microsoft Wordのレターヘッド・テンプレートをクライアントに送ることができます!

6. Microsoft Wordのレターヘッド・テンプレートを印刷する準備を整える

prepare your tempalte for printing Convert your letterhead design into an editable MS Word template

クライアントがMicrosoft Wordのレターヘッドのテンプレートを印刷する際に、塗り足し付きの状態で出力できるプリンタを使うのであれば、完成させたファイルをPDFで保存するように伝えてください。より良い印刷結果が得られます。Microsoft Word文書から直接印刷すると、印刷結果にばらつきが出ます。テンプレートをPDFで保存するには ファイル > プリント > PDFとして保存を選びます。さあ、ファイルを印刷する準備が整いました。

クライアントに知らせていただきたい、重要なことがあります。 Microsoft Wordのレターヘッド・テンプレートが表示する色は、デザインの元データの色とはわずかに異なります。ですから、テンプレートを作成するときの秘訣は、できる限りデザインの元データの色に近付けることです。Microsoft Wordのテンプレートと、デザインの元データは、まったく同じ色を表示することがどうしてもできないため、印刷をすれば当然見え方が変わってきます。あなたのクライアントがAdobe AcrobatAdobe Readerをお持ちの場合は、Microsoft Wordの代わりにそれらのアプリケーションを使ってレターヘッドを編集することをお勧めしましょう。Microsoft Wordに比べて、より質の高い印刷結果が得られるからです。

また、作成したデザインが塗り足し付きのもので、クライアントがMicrosoft Wordのレターヘッド・テンプレートを希望している場合は、よくある家庭用またはオフィス用のプリンタでは適切に印刷できないことを必ずお伝えしましょう。印刷結果がフチありになってしまうからです。クライアントは、塗り足し付きのデザインの印刷に対応できる、専門の印刷業者にデータを持ち込む必要があるのです。

Microsoft Wordにはデメリットが多く、それ以外の、より高度なグラフィック編集アプリケーションと同じ水準にあるとはとても言えません。しかし、クライアントもそのことをご存じの可能性は高く、その上で、あなたに対応を希望する場合もあるでしょう。

これ以外の方法で、Microsoft Wordのテンプレートの作り方をご存じですか?下のコメント欄でシェアをお願いします!